50代、80代になっても、 お茶を飲みながらくつろげる、 飽きの来ない家
開放感と素材の風合いが魅力、
バンブー扉の仕上げはご夫婦のDIY
「僕たち二人とも木製のものに惹かれるんですよね♪」真新しい木の香がひろがるリビングで開口一番、
M夫妻の元気な一言から始まったインタビュー。
生まれ親しんだうるま市に家を建てたいと土地を探すところから時間をかけ、
契約してから受け渡しまで約二年、ドラマティックな事柄を乗り越え2022年8月に新生活をスタートさせた。
30代のご夫婦、「同じ世代でも家を建てている友人は多くて“自分の家を建てたい”という思いは持っていたし、
息子が小学生に上がる前に家を完成させたい気持ちはありました」とご主人。
奥様と計画的に歩んできたのがわかる。
M家の間取りは、LDK(約73坪)の細長い長方形型。玄関から入るとすぐに
家族のファミリースペースとなる広々ダイニング、その右側に面した小上がり式の和室がM家のアクセントに。
「和室があるだけで安らぐし腰を掛けてくつろいでもらえる!
両親や親せきが来た時は寝室にもなるし、和室は必ず作ろうと思っていたひとつです」
目的が明確で、質問ににこやかに答えてくれた夫婦最大の共同作業が和室のふすま“バンブー扉の仕上げ”だ。
「竹あじろ製のふすまは、最後二人であぶって完成させました」
節約できるところを考え、夫婦で楽しみながら出来る作業は二人三脚で・・・。
下部は収納になっていてまるで無駄がない。何とも言えないふすまの風合いと濃い茶色のフローリング、
白の漆喰壁など、まさにM家オンリーワンの空間だ。
ダイニングから続くキッチンへの“こだわり”は続き、キッチンの両サイドのひとつが勝手口に、
反対側は二人のお子様の子ども部屋が2つ並び、さらにダイニングの壁際に勉強スペースも作った。
「子ども達の様子も知ることができるし、家族をキッチンから広く見守れる設計は希望通りです」
子どもに関わるお仕事をされている奥様らしい言葉だった。
リビングダイニングの3,4mという天井高に加え、絶妙な位置に設計された黒のサッシはモードに、
インテリアチョイスが光るカフェにいるかのような照明、爽やかな風がめぐり、
明るく開放的な空間は子育てのしやすさ抜群!何より、ずっと居たくなるファミリースペースだ。
何十年たっても 愛着の湧く家に!
“住み心地”や“デザイン”にもっとも力を注いだM家夫妻。
「設計士さんが話しやすくてお互いの意見を出し合いました。キッチンは真ん中に!
パントリーは一番に取り入れたかった場所です」キッチン幅と同じサイズ感で実現したパントリーがすぐ裏手に。
「両サイドから物が取れるし、風通りもいい!洗面で使うタオルや、子どもたちの細かな物をここに収めています。」
収納上手な奥様の家事効率をますます上げてくれる快適スペースとなった。
M家の間取りは、玄関から奥に向かい生活スペースへと続く。パントリーの裏手には、
洗面・お風呂場・洗濯空間が広がり、隣には干場を設置。
「洗面室が狭く、乾燥機もおけなかったアパート時代。私の身長にあわせた作業棚を作ってもらい、
乾燥機も洗面台の並びにあるので、かがむことなく作業がしやすくなりました!」
奥様の声が一段と高くなる。一般的には 乾燥機は洗濯機の上に設置することが多いが、
そんな概念を覆すM家だけの家事スペースは設計士のアドバイスから形になったものであった。
さらに希望のひとつだったトイレを二つ作ったこと。玄関先と、
その先の端にあるもう一つの家族用があることで生活空間にメリハリができた。
家族用トイレは、淡いイエローの漆喰壁にお気に入りのインテリアを取り入れるなど、奥様の癒しポイントとなっている。
どの部屋にいても“風と光り”をとことん感じるM家。
ご主人が希望したという外観の顔になる紺地の高い2m塀は中庭まで延び、
モダンな印象で目隠しの斜めスリットから風が入るし、玄関や洗濯干し場にも天窓をつけ、
特に干場は天井も作ったので雨の日も心配なく採光が申し分なく降りそそぐ。どこにいても光や風が行き交うように、
気兼ねなく、中庭や家中で遊ぶ子ども達の声を耳にできる安らぎは“暮らしやすさ”を語っている。
家づくりを始めた当初、ご両親の言う「あれもこれも言われて費用が増える」そんな不安事は全くなく
「ちょっとした“気配り”だと思うんです。良心的で対応力がダントツいい!」キッパリご主人のにこやかな一声。
モデルハウスを見学したあの衝撃からサイアススタッフと重ねてきた時間はとても豊かなものだった。
「お家づくり」とは、やはり技術だけに留まらず
“ヒトとヒトが心通わせ造っていくものなのだ”と夫婦との会話から感じる。
将来、縁側でお茶を飲む仲睦まじいM夫妻の80代ご夫婦の姿さえ、想像できた。
家族構成 : ご夫婦、お子様2名
敷地面積 : 241.41㎡(約70.02坪)
建築面積 : 118.73㎡(約35.91坪)
ライター : 玉城乃野
カメラマン: 屋比久 光史