モダンな可愛さとアーチがアクセント!
コンパクトの中に無限の心地よさ
素人目線で描いた“叶えたい”を設計士がプロ目線でカタチに。
どんな不安も一緒に解消!
ドアを開けた瞬間タッタと掛けてくる子どもたちの元気な足音と笑い声に迎えられてお邪魔したお宅は、
“すっきり・コンパクト”を掲げた4名家族O家。
ご近所にも新築のお宅や建築中の家が並び、これから新しい街並みが広がるであろう、生活環境が整った地域。
広々とした駐車場スペースの先に真っ白な外観。弧を描いた玄関先のモダンなアーチは、部屋の中にも取り入れられO家のチャームポイントのひとつとなっている。
アーチの垂れ壁が印象的な玄関は、「“独学ですが風水の良さも取り入れ、玄関は凹むより突き出た感じの設計で”とお願いしました。」と笑顔で答えてくれた奥様。
スペースを取らぬよう、玄関ドアをスライドドアに提案したのはご主人。さらに玄関ドアのアイアンアクセントは奥様のチョイス、甘くなりすぎない“大人かわいい”が生まれ、ひとつひとつのコーナーに夫婦の思い入れが詰まっていた。
“小さいお家ですけど”の一言がうそのよう!
無駄を省いた“広々とした空間の見せ方”を参考にしたい。
インタビュー前、ご夫婦から発せられた“小さいおうち”は、広く明るい玄関ホールのドアを開けた瞬間消え去った。
「広い!モノがない!?」ドアの向こうに約18帖のLDKが現れキッチン手前のフロアには家族団らんの場所になるコンパクトな低いテーブルにキャメルブラウンのソファがあるのみ。
これまで幾度の引っ越しの経験から奥様の断捨離はお手の物。
なるべく物を置かない空間づくりを意識してきた。
それでもO家のライフスタイル以上の開放感に満ちた広さの秘密とは?
それこそがサイアスホームスタッフが提案した的確なアドバイスだった。
「空間の先にお家のポイントになる個所を作ることで部屋の空間が広く感じられるそうなんです」とご夫婦が代わる代わる
“魅せたいコーナー”として案内してくれたキッチン奥の石壁。
なるほど!リビングの扉を開いた瞬間遠くにあるそのおしゃれな壁に「吸い寄せられたのは事実。
ボコボコした手触りと凸凹感が粋な天然石のコーラルストーン、真上にデザインされた天窓からはやわらかな光が差し込んでいる。
夕暮れ時や月明かりの美しい夜も照明では演出できない“自然スポット”が家族にやすらぎを与えてくれるらしい・・・
ご夫婦の“押しポイント”に納得だった。
2.6mの天井高と埋め込み型のダウンライトの効果、外観と同じく白を基調とした室内、壁と天井をつなぐ漆喰壁が味わいを醸し出し、床は淡い色合いが優しく、一番柔らかい質感で選んだシンゴンで統一。
その中で生きてくるあの玄関ポーチと同じ丸みを帯びたアーチが3つの部屋のドアデザインとして取り入れられ、
スパイス感と柔らかさが調和した豊かな空間を実現。
「コンパクトでも質を落としたくない」そんなご夫婦の願いが申し分なく発揮されていた。
“広さを感じる秘密”はこれだけではない!
LDKに並行して手前から約5帖の子ども部屋が2部屋、続いて約6帖の主寝室という間取り。
「限られた広さを活かすため、無駄なスペースは無くし廊下は作りませんでした。
子どもたちが成長しても“いつでも”コミュニケーションが取れるような隔たりのない設計にしたかったんです」
ここにもご夫婦のこだわりが垣間見える。
“こだわり、いるもの、いらない箇所”が明瞭だったО夫婦。
“廊下なし”以外にも庭と掃き出し窓はいらないをきちんと伝えている。
「ベランダがなくともその分たっぷりと部屋数を作り、駐車スペースを広く取りました」と奥様。
防犯も兼ね備え、窓は設置する高さと幅に気を配り、滑り出し窓を採用。
主寝室のクローゼットに家族の主な収納スペースを確保し、必要になったときに取り入れられたらいいと、お子様の部屋にはあえて収納スペースを家具は控えた。
逆に“男のこだわり”と称したご主人の希望が反映された靴箱の収納能力は高く、
「ここに詰まっていたのか!?」聞いて初めて生活らしさを感じる場所であった。
主婦目線からは、やっぱりココ!
キッチン裏手には、あのコーラルストーンの壁を中心に左からランドリールーム、お手洗い、脱衣所と浴室が続き、水回りという場所がものすごく自然な動線と天然スポット効果で特別なコーナーにさえ感じられた。
キッチンのウッディな色合いが空間に溶け込み、ライティングはキッチンスペースのみ昼白色に。
「使いやすそう!」思わず出た私の一言に深くうなずいた奥様だった。
家を建てるなら自然素材の家で!を念頭に置いて歩んできたO家。
「子どもたちのためにも“本物”にこわだりたかったですし、引っ越して一番よかったことは“静かにしてね、騒がないように”と言わなくなったことです」と奥様。
「家と外の違いがはっきりわかる、空気がからっとしていて気持ちいい、住み心地も最高ですよ」とご主人。
その間甘えてくるお子様のリクエストに上手に答えながら、ご夫婦が交互に感想を話してくれた・・・。
二人のお子様の名前に込めた“前へ進む”という言葉のように、どんどん広がるご家族の夢を知恵と工夫でゆっくり進み叶えていくに違いない・・・
O家の「前進」するヒストリーに今後も注目したい。
家族構成 : ご夫婦、お子様2名
敷地面積 : 179.00㎡(約54.2坪)
建築面積 : 80.06㎡(約24.2坪)
ライター : 玉城乃野
カメラマン: 屋比久 光史