無添加素材とお気に入りアイテムを
上手にコーディネート
住むほどに愛着が深まる自分らしい家づくり
無添加住宅の完成見学会を10回以上訪問夫婦でイメージを共有し、理想を形にする
キリッと小粋で空間の完成度が高く、どこを見てもセンス抜群。
無添加素材とお気に入りのアイテムを上手に組み合わせ、自分たち好みのデザインと居心地の良さを実現できたのは、「引き渡しの3年以上前から家づくりの準備を始め、夫婦で何度も話し合い方向性を確認してきました」という積み重ねのたまものです。
担当の建築士ともキャッチボールを重ねるごとにイメージが深まり、「私たちの要望をもとにいろいろなアイデアを形にしてもらい、理想的な新居に仕上げてもらいました」。
キッチンとカウンター収納にそれぞれワンポイントで取り入れたカラー漆喰。
リビングを彩るコーラルストーンの壁と飾り棚。それを引き立てる間接照明。
3種類のタイルを貼り分けた、開放感とプライベート感を併せ持つガーデンテラス。
これらのポイントはすべて、Hさんご夫妻と建築士が二人三脚でコーディネートを考えたもの。
例えばキッチン回りを見れば、「余計なものは表に出さずに、常にスッキリとした状態で使いたいから」とすぐ脇に大容量のパントリーを置き、よく目立つキッチン背面の壁にはイエローの漆喰施工。
カウンター部分には「手が届きやすい高さ」を調整してシンク側・ダイニング側にそれぞれニッチを設け、お気に入りのコラベルのタイルで化粧しました。
玄関を上がって正面突き当たりにあるカウンター収納は、全体の収納計画を見直す過程で、「ここは下半分だけを収納にすれば足りるから、上半分は飾りスペースに」と現在の形態になりました。
キッチンとは趣を変え、壁面の漆喰にピンクを選んだのは奥さまのアイデア。頭上の天窓からはスポットライトが当たるように光が届き、何を飾っても様になる「映え」スポットの一つになっています。
またリビング屋外にあるガーデンテラスのタイルは、段差の立ち上がり部分の模様まで一枚一枚厳選するこだわりよう。
外壁はテラス全体の色味のバランスを考え、グリーンに塗装しました。
一方では建築士のアドバイスを受け、隣地からの視線対策として、テラス全体を覆う目隠し壁を設置。
実際に住み始めてみると、懸念していた閉そく感は一切なく、「テラスに出ても、家の中にいるのと同じようにのびのび過ごせるし、リビングのカーテンもほとんど出番がない状態です」。
完成までに訪れた無添加住宅の見学会は10回以上に上ります。
「これ、いいね。便利だね」と思ったポイントはアイデアの引き出しにストックし、新居のプランにも積極的に取り入れました。
その一例が、キッチン脇の壁面と書斎の壁に埋め込んだホーロー製のホワイトボード。
他にも玄関部分の床に緩やかなカーブを付けたり、キッチン隣の書斎やパントリーの入り口をアーチ状にしたり、収集したアイデアはHさん宅の随所に生かされています。
子育て中の共働き夫婦にぴったりの家事を効率的にこなせるレイアウト
Hさんご夫妻が無添加住宅を選んだのは、「健康を最優先した家づくりを行っていること」が最大の決め手。
漆喰・無垢材が織りなす質感や空気感、デザイン性などが気に入ったのはもちろんのこと、「今後この家で育つ子どもたちのことを考えると、自然素材を中心に、使用する建材を厳しく精査している点はやっぱり安心。
それにいくら注意してもきっと、子どもたちが汚したり傷つけたりするのは目に見えていますが、漆喰なら自分たちで簡単に補修できますからね(笑)」。
デザインの選定も諸々の決め事もスピーディーに進んだのに対し、最も悩んだのが間取りの構成でした。
購入した約50坪の敷地は、北東側道路に面して奥に細長く、「昔からの慣習に倣い、風水に基づいた間取りにしたい」と思っても生活動線に無理が出てしまい、「それでも厳密に従ったほうがいいのだろうか」と立ち止まること数十日。
妙案を求めて設計担当者に相談したところ、「現代のライフスタイルに合った使いやすさ、暮らしやすさを優先しつつ、その中に風水のエッセンスを取り入れてもいいのでは」とアドバイスされ、ようやくモヤモヤが解消しました。
完成したHさん宅の玄関を開けると、まずは約16畳の広さがあるワンルーム的なLDKが現れ、その両サイドにリビングと同規模のガーデンテラスと可変式の子ども室がそれぞれ並んでいます。
リビングの天井は吹き抜けのように高く、天井付近にはハイサイドライトが設置され、明るさも開放感も抜群。
全体的にオープンな造りのため家族がどこにいても目が届き、先ほど見たキッチン隣の書斎も、テラスを望めるように横長の窓が配置されています。
一方で主寝室と水回りは家の最奥部にまとまり、公私の空間がしっかりとゾーニングされています。
洗面スペースとは別に独立した脱衣室を置き、廊下を抜けたところに屋根付きの半屋外物干し場を設けるなど、家事効率を考えた動線設計。
さらに物干し場へはテラスからも行き来でき、家全体を回遊できる生活ルートが形成されています。
「間取りの検討時に強く望んだのは、LDKをできるだけ広く確保すること。子どもたちが学校に上がって友だちを連れてきたときに、大勢が集まってものびのびと遊べる環境を用意したかったんです。もう一つは、私たち共働き夫婦にとって、家事をスムーズにこなせる動線であること。どちらも希望通りにプランニングしてもらい、大満足です」。
梅雨時でもジメジメ感が気にならない、無添加住宅だからこその快適な住み心地も、満足度を高めているポイントの一つです。
「床も壁も見た目に清潔感がある上に、自然素材特有のやさしい肌触り。特に床のサラサラした触感は、わが家を訪れた人皆が驚いています」と喜ぶHさん。
日を重ねるごとに愛着も増し、「仕事から戻ってリビングのソファに座ると、ああ、わが家に帰ってきたんだ、という感覚を強く抱くようになりました」。
イメージ通りに仕上げた空間で、家族の思い出を刻みながら、自分たちらしい毎日を過ごしています。
家族構成 : ご夫婦、子供2名
敷地面積 : 259.36㎡(78.4坪)
延床面積 : 95.57㎡(28.9坪)